呼吸を楽にするワンセットケア

「熱布バックケア」と「腹臥位」も合わせた「呼吸を楽にするワンセットケア」

看護師の業務が過密になり、ケアを確保する時間の短縮が余儀なくされる中、少しでも患者さんに「ああ、気持ちがよい」と感じてもらいながら闘病意欲を持ち、症状緩和もできないかと考えました。バックケアと熱布清拭を合わせた「熱布バックケア」は、体位を問わず、10分あれば実施でき、自然の回復過程を整えることに着目しました。そして、ケアの喜びを感じながら、患者さんにも喜んでもらえるようにと熱布バックケアの普及に取り組み始めました。

COVID-19感染症が猛威を振るう中、新型コロナウィルスに感染し、重症の急性呼吸促迫症候群(ARDS)になった患者への治療やケアとして、集中治療室で腹臥位を実施している姿をメディアでもよく見かけるようになりました。そこで、腹臥位をしている最中に熱布バックケアを実施できないかと考え始めました。

腹臥位は、あらゆる健康レベルの、あらゆる年代の人が対象で、ご自宅、介護施設、病院などさまざまなケアの場で実践されています。1970年代より呼吸をサポートする姿勢として取り組まれるようになりました。また、呼吸ケアだけでなく、1980年代に老年科の医師が考案し、廃用症候群(生活不活発病)の予防や改善として実施されてきました。呼吸ケアは医師を中心に治療として、廃用症候群に対しては看護などが中心にケアの一つとして棲み分けされました。ケアの一つとして実施する場合、あえて「療法」を使わずに「腹臥位」というようになりました。「腹臥位」は、ベッド上でのうつ伏せから起きるまでのプロセスを踏まえ、座ったまま机でうつ伏せになることも含めて、広く捉えています。

熱布バックケアと腹臥位を組み合わせたセットケアとして、各々のケアの相乗効果を期待して「ワンセットケア」と川嶋みどり先生が命名しました。

腹臥位になる際、ぜひ熱布バックケアも実施してみませんか。

腹臥位のポジショニングのための技術についても紹介しています。

腹臥位のポジショニング技術を紹介します

「うつ伏せのすすめPDF(日本語版・英語版)」

資料提供:日本看護技術学会 技術研究成果検討委員会 ポジショニング班

仰臥位から腹臥位へ

スライディングシートを活用した場合

重症患者の体位変換(仰臥位⇔腹臥位)

川嶋みどり先生の記事が「みんいれんTOKYO2月5日号」に掲載されました