B.清拭車を使用する場合

清拭車を使用する場合は,あらかじめ水分を含ませて固く絞ったタオルを入れて蒸す。

メモ

清拭車でつくった熱布が感染源になるという疑問に対して

綿タオルを濡れたまま放置させることは,微生物の温床をつくることにつなが
ります。清拭車で熱布をつくるときは,100℃まで加温できる清拭車を用意するこ
と,清潔なタオルを用いること,使用する時間の2 時間前に水分を含ませ,最小限
の水分量になるよう固く絞って清拭車にセットすることが重要です。

100℃まで温度を上昇させた後,1 時間ほど維持させると,細菌を一定程度死滅
させることができるといわれています。この際,温度上昇中にふたを開けると加温
が不十分になるので,途中でふたを開けてはいけません。また,一度セットしたタ
オルは使い切りましょう。長時間経過したタオルには多くの微生物が繁殖してい
ると考えます。

そして,タオルの追加もタブーです。十分な温度上昇が得られないため,清拭車
内のタオルも追加したタオルも不衛生になってしまいます。

さらに,清拭車は1 日1 回,必ず水を抜いて乾燥させることが重要です。清拭車
自体を細菌の温床にしてはいけません。

清拭車を管理する人を決めておくことを原則としましょう。

[文献]
1)増田美登里・真木美知子他(2006):清拭車使用マニュアルの見直しⅡ,医科器械学,76(10),713-714.
2)宮木祐輝・栗原博子他(2008):タオルの汚染防止に関する実験的検討,環境感染学会誌,23(5),355-
360.
3)鈴村初子(2017):清拭タオルについての文献検討―2007 年から2016 年における清拭タオル文献から,
修文大学紀要8 号,49-57.